汎用の旋盤の主軸に無線振動センサを磁石で設置し、30分おきの振動加速度計測を数か月にわたり実施しました。
旋盤は稼働と停止を繰り返しており、稼働時は振動が増加しますが、加工の負荷によりその振動も変動します。センサ接地面の温度も同時に計測しており、温度の変化からも稼働・停止の判断は可能です。
数日から2週間ほどモニタリングを行うと、得られたデータから稼働・停止を判断するの振動の閾値を設定することが可能です。閾値以上の振動のみを抽出し、そのばらつきをみると偏りの少ない分布をしていました。
このように一定の閾値を超える振動のモニタリングを続け、その変動幅や平均値の変化を見ることにより、稼働・停止を繰り返すような機械設備の劣化傾向を把握でき、予防保全が可能になります。
また、振動レベルの高い周波数のトップ5の周波数と加速度も把握できます。この例では200Hz以下、3200Hz、9500Hz付近に振動のピークが見られます。時系列的な変化はバブルチャートが見やすくなります。劣化傾向が生じた際に、ピーク周波数がそれまでと異なる傾向やレベルになることがあり、それは異常の原因特定の助けになります。