お客さまは、電力事業者です。変電所の近隣の民家から騒音低減の要望を受け、騒音調査とアクティブノイズコントロール(ANC)を含む対策案の立案を依頼されました。民家前、敷地境界、変電所内各設備など70ヶ所以上の騒音測定を実施しました。その結果、電源周波数の高調波成分、概ね2kHzまでが支配的でした。民家での騒音の周波数特性に近く、1kHz前後の周波数が卓越している、ある変圧器の寄与が大きいことをシミュレーションで確認しました。計測時に積雪があったことにより、民家側の騒音が4dB程度低下していることも加味し、電力量が増えた場合の騒音増加量も計測結果から推定式を算出しました。
その結果をもとに対策を検討しました。概ね250Hz以下の騒音低減に有効なANCの適用は適切ではなく、実行可能な対策として防音壁先端に斜め吸音板と500Hz以下に有効な共鳴器と高周波に有効な吸音板を組み合わせた対策を立案し、電力量に応じた2種類の対策案を提示しました。