お客さまは、研究所です。燃焼試験設備の排気消音塔から放射される20~60Hz低周波音が近隣で問題となっていました。騒音調査の結果、騒音レベルがバイパス系統の流量と相関があり、そこにある調整弁で高圧から大気圧に減圧する際の衝撃波が騒音発生源と推定されました。さらに迷路型の排気塔の構造が原因で共鳴が起こり、低周波音領域の消音性能が低下していると考えられました。
そこで、排気塔の音響モード解析を実施し、迷路型構造の有無による違いが無いことから、問題となっている低周波音は排気塔全体の構造に起因する共鳴であることが解析により確認できました。さらにスピーカ試験を実施し、音響解析と一致する計測結果が得られました。
低周波音には効果がないことがわかった迷路型の消音構造を膨張型サイレンサに変更するとともに、音源となっている圧力調整弁下流に新たにディフューザを設置しました。その結果、膨張型サイレンサで20dB、ディフューザで20dB、合わせて40dB以上の騒音低減を確認し、問題は解決しました。