お客さまは、プラントメーカーです。ゴミ焼却炉のまわりに設置された架構が操業中にゆらゆらと揺れているため、強度上問題ないかを確認するために振動と固有値計測を依頼されました。想定される振動が低周波であるため、建造物が常に地盤から微弱に加振されていることを利用した常時微動測定という手法を適用し、高感度で低周波に対応可能な3軸のサーボ加速度計を用いた計測を実施しました。
計測の結果、焼却炉の架構は稼働停止時も1次の固有振動モードで東西と南北で若干異なる数Hz周波数で振動していることがわかりました。稼働時には高次の振動モードでも振動し、さらに架構だけでなく、炉最上部や冷却塔も同時に振動していました。そのため、炉本体からの衝撃的な加振により架構-炉―冷却塔全体が固有振動数で揺れていると推定されました。振動モードアニメーションもご提示し、応力が高くなる部位もわかりやすくご報告しました。(写真はイメージです。)